会社をやめた生活

2月いっぱいで会社を辞めた。

辞めてから2ヶ月は糸が切れたタコのように旅行や遊びで飛び回った。

ひと通り遊んだら今度は、長年の疲れと身体の膿みが出たのか、

寝たり起きたりの病んだ生活が2ヶ月続いた。

寝込んでいるうちにますます身体が弱ってきたので、

無理矢理ジムに通って歩いたり筋トレを始めて1ヶ月。

ようやく身体が健康を思い出したように、

普通の生活ができるようになってきた。

気づけばもう8月。

元気になるまでずいぶん長くかかったもんだ。

そこからようやく人間らしい「生活」がはじまった。

長いこと家でこんなに長時間過ごす日々が続くって、

子どもの頃の夏休み以来なんじゃないかな。

今になって初めて「やるべきこと」の全体量が見えてきた。

例えば家事。

これまでは、家事よりも優先したいことがあるから後回しになって

汚れたりたまったり遅れたりして…いい加減困るとやる、

という程度で精一杯だった。

でも、こうして毎日家にいると日々コマメにやらないと

家事って追いつかないんだということがよくわかる。

掃除、洗濯、お金の管理、料理、自分の身体の手入れ、

休む、お風呂、寝る、食べる。

映画やテレビを見る、読書する、

メールやネットをする、友だちと会う。

やることいっぱい。

毎日家にいたってきちんと生活しようと思うと

やることも気持ちも追いつかない。

でも、みんな平等に24時間しかない。

普通はこれに勤務時間で拘束される時間が差し引かれる。

子どもがいる人はこれに育児が入ってくる。

時間て上手く使わないと本当に足りないや。

仕事を始めてから10年、日々に追われて

これまで何もやってこなかったんじゃないかって気さえする。

それが生活ってもんなんだろうけど。

たまたまSOHOという形をとっているために、

たまたまこういう時間を持てているけど、

いつまでこういう時間を噛み締められるかわからない。

貴重な時間だと思うので大事にしようと思う。

アトリエ小びん

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