今勢いに乗ってる噺家の一人かな。花緑なんだけど、と友だちにチケットをもらった。他の出演者も内容もよく知らないままチケットを握りしめ、仕事の都合をなんとかつけて鈴本に駆け込んだ。

入場後プログラムを見ると林家たい平、春風亭小朝、林家いっ平ほか5名+花緑の名前が並んでいた。ええっ!こんなにたくさん良い顔ぶれが出るの?とビックリ。しかも席が前から3列目。高座に激近。お顔がよく見えて、あ、今目が合った、というのがよくわかります。たぶん歌武蔵と小朝とは目がよく合った。

今回初めて見て好きになったのは笑い顔でやさしそうな、ヒョロリとした出立ちの柳亭市馬さん。また見たいなあ。

たい平は近くで見たらすごく男前でした。小朝は相変わらずオモシロかったけど、なんだか急いでネタを済ませた感じがしてちょっと寂しかったかな。いっ平も可愛いと思っていたら、男前でもありました。が、今回の新作ネタが個人的にはいまいち。でも体当たりでがんばってましたね。

さて、一通り終わり、ここからがメインの花緑の時間。

知らなかったのですが「子別れ」という話、実はとても長くて、上(強飯の女郎買い)中(子別れ)下(子はかすがい)の3部に分かれており、普通はその1部だけを話したり、休憩を挟みながら3部を話したりするらしい。私も実際一部だけ聞いたことはある。これを花緑は仲入りなしのぶっ通しで1時間半話すと言うのだ。小朝もこの花緑のチャレンジに驚いていた。8人の噺が終わって既に開始から2時間15分。ここから1時間半というのだ、聞いてる方の集中力がもつのだろうか。そんな心配をよそに花緑の噺がはじまった。

これから長い噺をするというのにこの人は…雑談から入る余裕にビックリ。しばらくの雑談後、スッと子別れに入った。空気が変わりコチラも覚悟を決めようかと思う間もなく、グッと噺に引き込まれていたのだと思う。聞く聞く聞く…話す話す話す…いい噺だな〜。なんか涙出てきたな〜。あ、もうすぐ噺が終わるのかな〜。そして…あっ!!!という間の1時間半が終わった。時間を見たらホントにほぼ1時間半。夢中で聞いていました。長いとも思わないし短いとも思わない。笑って泣いて、話をじっくり飽きずに聞けて感動できた充実感。拍手喝采です。花緑グッタリ。感動しました。ウマイ!まさにブラボー!!!という感じです。この人、私と同い年なんだよな…デカイ人間だな…惚れた…と思いました。

アトリエ小びん

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