レオナルド・ダ・ヴィンチ展

連日行列という噂なので朝イチから上野へ。おかげで並ばずに入れました。会場は2つに分かれていて、第1会場には「受胎告知」のみ展示されています。「受胎告知」とはイタリア旅行をした時以来10年ぶりの対面!イタリアでは、閑散としたウフィッツィ美術館にひっそりと掲げられていたのを静かに眺めた覚えがあるけど、今回は人だかりの山。絵の前で立ち止まることを禁止されていたのでじっくり見られなくて残念〜。

第2会場にはレオナルド・ダ・ヴィンチが生涯積み重ねた研究やデッサン、絵画についての検証が、CGや複製などを使って展示されてました。人の顔つきや身振りにはその人間性が現れるという持論から、彼が描く人物は表情や身振りが豊かだけど「最後の晩餐」を使ってそれを解説した展示が特に興味深かったなあ。その他も面白いものばかり。宇宙と人体を結ぶ理論や、黄金比にはじまる「美」を表現する数字のルールなど挙げればキリが無いです。

人を正確に描くために、体の仕組みを知ろうと、人体を解剖したように、徹底的に全てを知りたいという好奇心と貪欲さは、周りの人間には奇々としたものに映っただろうな。失われた大量の彼の著書には他にどんなことがあったのか、今では想像もつかないけど、きっと未来につながる技術がたくさんあったに違いない。生涯のうちにこれだけのことを考えて記録し、作品を残すことができるなんて、特別な人にしかできないことだと思うけど、人間の最大限の力って計り知れないんだなと思いました。レオナルド・ダ・ヴィンチがいかに天才か、を再認識させられた感じです。

アトリエ小びん

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