狼花って何の花?

で、狼花って何の花? 読み終わって思ったのはそれ。とはいえ、新宿鮫シリーズってみんなそういうタイトルか…。抽象的なイメージの、意味がわかるような分からないような熟語のタイトル。

これが出るって中吊りで見た時は嬉しかったなあ。ハードカバーの本って読むの苦手で、文庫が出るまで待ったりするんだけど、これだけは待ちきれなくて一気に読んだ。

鮫島節が今でも健在なのを確認しながら、終始わくわくして読んだ。実年数を思えば鮫島もそれなりに歳とってきてるはずだけど、相変わらずで面白かった。こうしてシリーズ9まで出たんだから10まで出してもらわないと。今作で、前作までに描いてきた、鮫島周辺の人間関係を一部清算した部分は、もしや次回作を最終話にすることを意識したものだったりするのかな? その辺をにおわせたつもりなのかなんかわからないけど、そう言う意味では終わり方があっさりで、エピローグ的なものが欲しかったかな。

各シリーズ、その時代背景を反映したリアルな犯罪をネタにしてるけど、世の中がそうなって来ているように、話もその都度複雑になっていく。そうすると、単純に鮫島節が聞きたいのにそうも行かない状況になって来ているのがちょっと寂しいかな。

コレを読み終わってすぐに、山口組と住吉会のニュースがあったけど、この「狼花」でも彼らをモデルにしたような設定があったので、リンクするようで妙に身近に感じた。

アトリエ小びん

フリーランスのグラフィックデザイナー、アトリエ小びんのウェブサイトです。