ル・コルビュジェ展@森美術館
建築家ル・コルビュジエと思っていたら、絵画や彫刻作品がたくさんあるのね。彼が毎日絵を描くために籠ったアトリエが実寸で再現されていた。メチャクチャ広い。アトリエだけで、余裕で衣食住できる。そのアトリエをはじめとする、実寸を体感できる大型模型や映像や作品を通して、文字情報だけではわからないル・コルビュジエを見ることができて楽しかった。ホントは建築物そのものを見たいけどね。
フランスにある“マルセイユ・ユニテ”という集合住宅のメゾネットタイプの部屋と、彼が終の棲家として建てた、カップ・マルタンにある“休暇小屋”(下の写真)の実寸があって、その中に実際に入って触って歩いて、家を体感することができておもしろい。住んでみたらどんな風に使うかな、ル・コルビュジエがどんな風に暮らしていたのかな、なんてことを想像しながら。
驚くのは意外にこじんまりとしていること。無駄も不足もないサイズ、質素でシンプルなデザイン。すぐに生活シーンをイメージできる程、“暮らしやすそう”と感じる作り。こんな部屋に住みたいなあ。今も住んでいる人がいるんだかうらやましいなあ。
特に“休暇小屋” は、そんな建築をさらにダイエットした、無駄のない理想の極小住宅なのだから、ほんとに小さくてビックリ。籠り部屋って感じ。身長160cmの私でジャストサイズに思えるけど、でもここに身長185cmのル・コルビュジェが暮らしたんだし、もちろん、彼の黄金比率で設計されているんだから、何の不自由もないのでしょう。籠り部屋的なこの空間に入る時、子供部屋を初めて作ってもらった時のようなワクワク感を思い出した。
この家の中にいると、つましく生きる美しさ、みたいなものが感じられた。日の丸のように、究極までそぎ落とされたデザインて、やっぱり強くて美しいなあと思った。
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