魍魎の匣

豪華出演陣と、CMから感じる空気とに惹かれて見に行った。

全体に漂う空気感は江戸川乱歩のような、横溝正史のような感じ。暗い世界観の中に個性的な登場人物があり、彼らが時々笑いを起こしたと思えば血なまぐさい絵が現れたり。そこに面白さがあるんだろうけど、個人的にはどんなテンションで見ればいいのか戸惑った。

が、そんなことよりも、話を理解するのにだいぶ時間がかかり、途中、話がわからないのは私だけかな?と不安になったりもした。けど、見終わって友達に聞いたら、友達も同じだったというのでちょっと安心した。

というのも、原作を映画化することが難しいと言われていたように、いくつかの話がとても複雑に絡み合っているのだ。まず、登場人物が多く、それぞれの名前も平凡ではないので、人の顔と名前を覚えるまでに少々、そして時系列が前後した3つのエピソードを見てから、それらをようやく自分の頭の中で組み立てて、話の前段を理解するまでに大幅に時間がかかった。

その先、後半からは話がさらに思わぬ方向へ急展開し、それもいくつかのことが絡み合い、これまた理解するのに一苦労する。なので、全く飽きることはなかったけど、けっこう疲れた。

CMから抱いていたような印象とは個人的には全く違ったので、満足かというとそうでもないが、豪華で、私の好きな俳優がたくさん競演していることで、だいぶ気分はカバーできたかな。

アトリエ小びん

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